【結婚式の疑問】カメラマンの持ち込みにメリットはある?

手すりに置いたブーケ

そもそも持ち込みとは何?

結婚式に必要なものを自分たちで用意することを「持ち込み」といいます。

日本の一般的な結婚式のビジネスモデルは「会場のウェディングプランナーが必要なものをすべて手配する、そしてマージンも含めて全体利益を得る」というものです。

近年はこうしたビジネスへの疑問から、スマ婚・楽婚といったブライダルプロデュースの会社が伸びています。ホテルや式場が会場と食事を提供し、プロデュース会社がその他を取り仕切る新しいスタイルです。

なぜ持ち込み料が存在するのか?

例えばカラオケ屋さんへの食事の持ち込みは不可です。もちろん食事代で利益を載せるのが前提になっているからですね。

では、スキー場に自分のスキー板を持っていくのは?ボーリング場でのマイボールは?と考えるとどうでしょうか?

結婚式の場合は、ホテルや式場に食事を持ち込むのは、一般的に不可です。

衛生面での問題がありますので、これはある程度納得がいくと思います。

では、以下の持ち込みはどうでしょう?

・名札やウェルカムボード
・衣装
・ブーケ
・引き出物
・司会者
・カメラマン

司会者・カメラマンが「持ち込み」って、もの扱いのようで日本語的に変ですが、慣習的にそう呼びます。

話はそれましたが、本来これらはすべて会場で用意できるものです。

そして、会場契約の業者に注文をそのまま流して50%前後のマージンを取るのが、従来のビジネスモデルです。

新郎新婦が自由に持ち込んでは、会場の利益が大幅ダウンしますので、その補填としていわゆる「持ち込み料」が存在しています。外部業者に頼めないように金額的なハードルを設けているわけです。

そこにご祝儀があるから

そのマージンは高すぎるのでは?という話は以前よりありますが、なぜ撤廃されないのか?

慣習といえばそれまでですが、ご祝儀の存在も一因と思います。

日本の結婚式って、友人でも3万、直系親族なら5万~10万とか包みますよね?
何もしなくても200~300万集まったりします。

ですので、式場側も強気です。逆に新郎新婦側は財布のヒモが緩むというか…、通常時の消費者判断が効きにくいのかもしれません。結婚式だから交渉や値切るのはちょっと…。という感じでしょうか。

結婚式場では、土日祝日しかほぼ結婚式は開かれませんから、持ち込みが増えると経営的に苦しくなる、という言い分はあるでしょう。その企業論理と消費者感覚のせめぎあいで、金額が決まっていくものだと理解しています。

カメラマンの持ち込み料

一般論から離れて、撮影に関する持ち込み料に話を移します。

会場ごとに対応は違います

外部業者の持ち込みを許すか許さないかは、会場によって違います。
令和時代でも一切持ち込みカメラマンは禁止、という会場も存在します。

また、有名結婚式場で「持ち込み料10万円」とかなり強気な料金を設定している会場もあります。

余談ですが、以前ある会場では「ニコンの一眼レフカメラD●●、キャノンの一眼レフEOS●●を所有のゲストはプロとみなし、持ち込み料の対象とします」といった具体的な型番まで書いた書面を用意していました。

SNS時代になって、さすがにおかしいとTwitterにさらされ、今は取り下げています。

以上は、移行期の極端な例です。

持ち込み料は無料の会場も増えましたが、一般的には3~5万程度のカメラマン持ち込み料を設定している場合が多いです。

専属カメラマンと持ち込みカメラマンの違い

会場専属も外部の持ち込み業者も、使っている機材はほぼ同じです。それぞれ上手な人もいればそうでない人もいます。

持ち込みカメラマンのキャリアルートとしては、修業時代に会場専属を数年やったのちに、フリーのブライダルカメラマンとして外注業者に雇われるケースが多いです。

ただし、会場専属カメラマンとしてそのまま残る場合もあるで、どちらが技量的に上かは、一概には言えません。

金額的には、持ち込み業者の場合は、マージン部分が無いので半額程度で済みます。以下、金額以外の部分で違いを説明したいと思います。

撮影規制について

一般的な結婚式の流れは大きく分けると、

メイクルーム撮影~挙式撮影~披露宴撮影

ですが、後半の披露宴に関してはほぼ撮影上の規制は無いので、会場専属と外注の差が出ません。問題は前半部分です。

会場によっては、外注カメラマンはメイクルーム撮影が不可という場合があります

また、挙式の際に祭壇に上ってはいけない、ゲストと同じように椅子から動いてはいけない、といった撮影ポジション上の規制を設ける会場があります。

こうしたルールを説明するとき担当者は「挙式中の厳粛さを保持するため」という理由付けをします。しかし、実際は専属カメラマンが派手に動き回ったりと、説明と矛盾する場合がままあります。

守るべきルールですから、持ち込み業者は指定のルールに沿って撮影することになります。

但し、こうした撮影規制は任意的なものが多いので、担当プランナーとの交渉次第です。

契約を交わした後では、担当者との交渉はなかなか難しいです。持ち込み料の交渉は、必ず契約前に行いましょう。

式場専属カメラマンのメリットとデメリット

専属カメラマンのメリットは、会場を知り尽くしている人が多い、ということです。断言しなかったのは、繁忙期になるとあまりブライダル撮影に慣れていないカメラマンが式場に雇われる場合があるからです。

こうした事例は、よくブログにも書かれますが、実際こうしたトラブルは意外と多いです。仏滅・赤口といった婚礼件数が少ない日は、腕前的にその会場のトップレベルのカメラマンが撮影してくれる可能性が高いです。大安の忙しい日に限ってトラブルは起きます。

場所に対する習熟は、専属カメラマンの最大のメリットです。デメリットは外注カメラマンとは別の意味でルールに縛られる点です。

式場専属カメラマンも規則に縛られるって、意外ですね。

カット数の制限がそれにあたりますが、会場が販売する商品は一般的にカット数が少ない場合が多いです。

経験上、結婚式の適正カット数は700枚前後と思いますが、200カット~300カットというような極端に少ないカット数の商品が存在します。そうした場合、専属カメラマンはたくさん撮りたくても規則で撮れない、といったジレンマに陥ります。

少なく撮るために、ゲストや親族は最小限しか撮らない、といった工夫をしますが、ちょっと矛盾した印象を受けますね。

そうしたお悩み解決のために、カット数を増やすための二人目のカメラマンとして、当スタジオイーストが依頼を受ける事さえあります。会場の仕組みが、お客様のニーズに対応しきれていない一例と思います。

持ち込みカメラマンのメリットとデメリット

持ち込みカメラマンのメリットは、第一に価格面、第二にカメラマン本人と事前打ち合わせをしたりの融通が利くことです。

デメリットは前述の撮影規制でしょうか。

価格面ですが、会場に依頼した場合はアルバム作成との抱き合わせ販売になりますので、写真アルバムで、20万~25万程度の出費になります。

持ち込み業者の場合は、当スタジオイーストの場合、データのみ¥41,000~¥43,000程度、別売アルバムを付けて¥81,000~¥83,000程度と、会場の半額以下なので、持ち込み料を加算しても出費は少ないです。

二つ目のカメラマンとの事前打ち合わせに関しては、会場専属の場合は、出来ない場合がほとんどです。当日初見のカメラマンが撮影することになります。当スタジオイーストの場合は対面での打ち合わせは有料、電話・メールは無料です。

デメリットは、専属カメラマン程には個別の会場に習熟していない、ということでしょうか…、これは仕方ないですよね。

但し、所属メンバーは通算千件以上撮影済みの中堅~ベテラン陣のみなので、会場専属カメラマンほどには経験・技量のばらつきはありません。

結論

業界ごとにいろんな慣習があるので、なかなか急には変わらないものですが、ウェディング業界もここ10年くらい変化が見られます。

ホテルや結婚式場の中で挙式〜披露宴を完結させるスタイルは、おそらく昭和時代半ばに考えられたもので、それ以前は神社で挙式、自宅か料亭で会食、だったはずです。

ホテルの中に神殿や教会があり、神主や牧師が出張する現行のやり方は、当時は斬新だったはずです。

時が流れて令和の今、ハウスウェディングやレストランウェディングといった多様な選択肢が出てきました。

時代の変化に関わらず、自分らしい結婚式を追求することが大事でしょうね。

結婚式の準備に時間が裂けない、特にこだわりはなく外注業者を探すのが面倒という方は、担当プランナーに全部お任せするのが最良だと思います。

多少出費は増えますが時間の節約になり、安全策とも言えるでしょう。

逆に、いくら結婚式と言えども不明朗なマージンは納得できないという方は、外注業者を検討すると良いと思います。

情報が増え選択肢が広がったこのは、素晴らしいことだと感じます。

以上、会場専属カメラマン歴13年、持ち込みカメラマン歴12年のスタジオイースト柴田でした。

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